【Q&A・法律マメ知識】<第9回>LLPって何ですか?

photo credit: DS Meetings at HQ via photopin (license)
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【Q&A・法律マメ知識】<第9回>LLPって何ですか?

質問と回答

Q1
 ”LLP”という英語を最近よく聞くのですが、どういう意味ですか?
A1
 ”Limited Liability Partnership”の省略形が”LLP”です。日本語では、有限責任事業組合のことを言います。

Q2
 ”有限責任事業組合”とは何ですか?
A2
 組合の1つですが、組合員の責任が限定されている特別な組合のことです。

Q3
 組合員の責任が限定されている組合は珍しいんですか?
A3
 はい。珍しいです。
 民法では、組合員は無限責任を負うのです。有限責任を負うのは、株式会社が典型例です。

Q4
 組合は会社とは違うんですか?
A4
 はい、違います。
 組合の場合は当事者は組合員個々人ですが、会社の場合は当事者は会社自身です。
 契約で言うと、組合の場合は組合員個々人の名前で契約を結ぶのが法律の要求ですが、会社の場合は会社名だけで契約を結ぶことができるのです。

Q5
 ”LLP”のメリットは何ですか?
A5
 色々ありますが、税金面で言いますと、パススルー課税ですので会社よりも税金の支払いは安くで済みます。

Q6
 パススルー課税とは何ですか?
A6
 組合自体への課税はなされずに(パススルー)、組合員への所得税だけが課されるという税金です。
 ”会社”の場合は、法人税で会社自体への課税がなされ、構成員(株主など)へも所得税が課される、いわゆる二重課税がなされています。
 パススルー課税により二重課税が避けられる点が”LLP”の魅力の1つになっています。

Q7
 ”会社”のように登記する必要はありますか?
A7
 はい、あります。
 組合員は、出資の限度でのみ責任を負担します(”有限責任”)ので、出資を超える部分について債権者は自分の債権の満足を得られません。ですので、債権者を保護する必要が高いといえます。有限責任事業組合契約を登記して事前に公示することで債権者を保護する必要があるのです(有限責任事業組合法8条及び57条以下)。
 会社設立のように複雑ではありませんが、設立手続が必要になります。

Q8
 ”LLP”での利益分配はどうなっていますか?
A8
 利益の分配は出資比率と違う比率で定めることができます。
 株式会社ですと、持ち株数で利益の分配は決まりますが、”LLP”では分配比率を出資者間で自由に定めることができるのです。

Q9
 取締役会や監査役は必要ですか?
A9
 いえ、必要ありません。
 出資者間で柔軟に定めることができます。

Q10
 ずばり、どういった場合に”LLP”は最適ですか?
A10
 ”閉鎖型企業形態”に最適なのが”LLP”です。
 ”閉鎖型企業形態”とは、出資者が経営参加をする企業形態のことです。
 人的・能力的に信頼できる人々が互いに出資(金銭その他の財産のみ)をしあって、その出資者が経営に参加する場合に”LLP”は最適です。